先日、≫ブリヂストン美術館に行った という話をしたところ、


「近くにキリンがいるよね?」


と言われました。

僕はその日、キリンの存在には気が付かなかったので、今日、東京駅に下りて確かめてみました。

すると、居た、居た。


王冠キリン1

王冠みたいのをかぶってますね。なかなかシャープで格好良い造型じゃないですか。

王冠キリン2

別アングル。

あんまり時間が無かったので、写真だけパッと撮って、立ち去りましたが、なんのオブジェなんでしょう。作家さんとかはっきりしているのでしょうか。そもそも、ここ、何の建物の前だっけ?


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3/18「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅-」を見るために北浦和に出掛けた話の続き。

埼玉県立近代美術館のある北浦和公園の写真 はこちら。


↓北浦和公園はそんなに広くないので、少し歩くと建物が見えてきましたよ。

埼玉県立近代美術館1



↓入口付近のアップ。とんがっててなかなか格好良いんじゃないの?

埼玉県立近代美術館2



↓建物の左のほうに誰かいる!と思ったら彫刻の一部でした。

埼玉県立近代美術館3



↓≫前の記事 でも触れた音楽噴水越しの建物。

埼玉県立近代美術館4


次回、やっと「シュルレアリスム展」の感想。


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3/18は「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅-」を見るため、お出かけ。

北浦和駅で友人と待ち合わせ。

埼玉県立近代美術館のある北浦和公園が駅から見えました。


北浦和公園1



↓公園の入口。
北浦和公園2

↓音楽噴水。
北浦和公園3

僕が写真を撮った時はご覧の通り勢い良く水が出ていた噴水ですが、僕に続いて写真を撮ろうと、友人がカメラを構えた瞬間に水が一本だけになりました。すぐに戻るかと思ったら、その場にいる間は勢いが戻りませんでした(笑)。

なんか、「お前に写真を撮られてたまるか!」と言わんばかりのタイミングでしたよ。

まぁ、僕は撮れたから良いけど。


↓オブジェもあって、「美術館のある公園」って感じですよね。
北浦和公園4

↓葉の無い木が多かったです。
北浦和公園5


紅葉の季節はとても綺麗らしいです。

特別広い公園ではありませんが、小奇麗な公園。また来たいです。


「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅-」の記事はまたあとで。


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2月に行った『オルセー美術館展』以来、ハイペースで美術展に行っています。長期休養していた本ブログですが、2月~3月に関してはタイトル通りの活動が出来たかと思います。


最近行った美術展のキーワードは「印象派」「エコール・ド・パリ」といったところ。抽象画も結構見てますね。

作家名で言うと「モネ」「ゴッホ」「ルノワール」「藤田嗣治」「ピカソ」らの作品に出会う確率が高かったです。




『オルセー美術館展』の記事は長くなったので前後編に分けました。モネとゴッホが特に良かった。

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オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園 in 東京都美術館


続き-オルセー美術館展 19世紀 芸術家たちの楽園 in 東京都美術館

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国立新美術館の休館日を把握していなかったために急遽行った青山ユニマット美術館。

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シャガールとエコール・ド・パリコレクション/ミレー、コローとクールベ展~青山ユニマット美術館~

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出来たばかりの国立新美術館にも行けました。「絵画」と「彫刻」で別記事に。

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~絵画編~異邦人たちのパリ展-国立新美術館-


~彫刻・オブジェ編~異邦人たちのパリ展-国立新美術館-

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思い切って、川村記念美術館まで遠征。楽しくて写真も沢山撮ったので、記事数も多くなりました。

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千葉県の佐倉に出掛けてきましたよ-佐倉市の空の写真-


川村記念美術館の敷地内で撮った写真-千葉県佐倉市-


川村記念美術館の外にあった変なオブジェ


川村記念美術館の外にあった妙なオブジェ


川村記念美術館の全館コレクション展示 「コレクション・ハイライト」

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前から行こう、行こうと思っていたブリヂストン美術館も制覇(?)。
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じっと見る 印象派から現代まで-ブリヂストン美術館-

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関連性のある美術展が続き、短期間で得るものが大きかったように思います。

特に『クロード・モネ』に対する意識が急激に高まり、国立新美術館で4月から開催される「大回顧展モネ 印象派の巨匠、その遺産」が非常に楽しみになってきました。


簡単にまとめると

「モネやゴッホは人気も高いが、僕も好き」

「僕はカンディンスキーが、かなり好き」

「オディロン・ルドンは最近知ったが、とても気になる」

「ジャコメッティのシュルレアリスム時代の彫刻が気になる(もっと見たい)」

「ピカソは元来、あまり好きではないが作品によっては非常に好き。気になる存在ではある」

といったところ。



ここ最近の僕の参考書籍。図録とこの本を見て、ブログ記事を書いています。

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一冊でわかる絵画の楽しみ方ガイド―印象派、写実主義から抽象絵画、シュルレアリスムまで

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最近見た作家(ルノワール、ゴッホ、クールベ、モネ、モロー、ピカソ、マネ、ミレー、ゴーガン、シャガール、コロー、ルドン、ロートレック、ローランサン、ブラック、カンディンスキー、クレー、ミロ)らの紹介も興味深く、実際に見た作品もちらほら。

「いいタイミングで買ったなぁ」という思いが強いです。




3/18は埼玉県立近代美術館で「シュルレアリスム展-謎をめぐる不思議な旅-」を見てきました。僕は≫すぐわかる画家別幻想美術の見かた でデ・キリコ、マグリットらを知って美術にはまったので、非常に楽しかったです。好きな分野(幻想美術・シュルレアリスム)だけを見ていると、視野も狭くなると思うので、最近、印象派を中心に見ていたのも今日に繋がった気がしています。

王道を知ってこその異端、ですよね。

シュルレアリスム展の記事はこちら



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ブリヂストン美術館へ出掛けたのは先週の平日休みだったでしょうか。

(風邪気味だったので、日が開いてしまいました)


ブリジストン美術館は以前から気になっていて、≫大丸ミュージアム や八重洲ブックセンター(美術書が充実している)に行ったついでに寄ろうと思っていたのですが、なかなか足が向かず、この日がはじめての訪問となりました。


↓ブリヂストン美術館入口
ブリヂストン美術館

この日は「じっと見る 印象派から現代まで」が開催されていました。


建物の中に入ると、すぐにミュージアムショップがあり、見て回りたい衝動に駆られましたが、すぐに「展覧後のほうが楽しい」と思い直して、チケット購入⇒ロッカーに荷物を預け⇒エレベーターで2階へ。

本展覧会は「ブリヂストン美術館所蔵品傑作展」的な側面も強く、ほとんどが所蔵作品であったようです。

2階に上がってすぐに並んでいた彫刻作品は展覧会の一部なんでしょうか、常設展示なのでしょうか。

パッと目に入ったのは


ヘンリー・ムア≪横たわる人体≫-1976-

この人の名前は聞いたことあったっけなぁ?まぁいいけど。

人体をゼリー状に液化して横たえた感じ。冷静になってみると奇怪なんですが、どうみても人体だし、むしろ艶かしくすらあるよね。


一つ目の展示室に入って、いくつか絵を見ているうちに、人が少なく、静かなのも相まって、いつもより集中して見ている自分に気づきました。


カミーユ・コロー≪ヴィル・ダヴレー≫-1835-40-

緑の木々に囲まれた細道。牛の後姿、遠くに微かに人影。

非常に集中して絵を見れていたので、絵の中を歩いているかのような錯覚さえ覚えました。コローの作品は≫青山ユニマット美術館 でも見ましたが、この絵が一番印象的ですね。≪ヴィル・ダヴレー≫はコローが繰り返し風景を描いた村であり、この絵はコローの代表作の一つだそうです。「コローの人物画も見たいなぁ」と思っていたのですが、上手い具合に≪森の中の若い女≫-1865-もあり、存分に楽しめました。


アルフレッド・シスレー≪サン=メマス六月の朝≫-1884-

見た瞬間に「あれ?≫オルセー美術館展 で見た洪水の絵の人?」と思ったらその通りでした。見た瞬間に分かったということは何か、「シスレーっぽさ」というのがあるんでしょうね。≪森へ行く女たち≫-1866-も含めて、どれも派手さは無いけどいい絵だと思います。


「~ぽさ」という話で言うと、あんまり好きではないですけど、マネはすぐ分かりますよね。本展覧会には自画像がありました。

あと、ルノワールも数点ありました。≫オルセー美術館展 で見たルノワールの≪ジュリー・マネ≫が「とても良いなぁ」と思ったのですが、いろんな人の記事を見ているうちに「後期のルノワールはちょっと・・・」という意見を発見して、ちょっと気になっていました。1919年に亡くなるルノワールですが、ブリヂストンにあった1900年代、1910年代の作品は確かにつまらないですね(いや、私見ですよ)。ちなみに≪ジュリー・マネ≫は1887の作品。

2つめの展示室にはゴッホがありました。

フィンセント・ファン・ゴッホ≪モンマルトルの風車≫-1886-

は、さっきまでの流れでいうと、パッと見では「おっ、ゴッホ!」とまでは分かりませんでした(今の僕では)。色使いも抑え目ですし。でも、荒々しく力強いタッチは僕の知っている作品と通じるものもあるのかなー、と思いました。


最近、モネに対する意識が急激に高まっています。

クロード・モネ≪睡蓮≫-1903-、≪睡蓮の池≫-1907-

≪睡蓮の池≫は縦長の作品。≪睡蓮≫は横長の作品。

モネは睡蓮の絵を沢山描いてますね。僕も国立西洋美術館の常設展示で見てますし、最近では≫川村記念美術館 でも見てます。僕は今回、ブリヂストンで出会った横長の≪睡蓮≫-1903-が一番好きかなぁ。


クロード・モネ≪黄昏、ヴェネチツィア≫-1908-

今回一番気に入った作品。一緒に並んでいた≪アルジャントゥイユの洪水≫、≪雨のベリール≫のように若干暗い色彩の作品もあれはあれで良いけど、≪黄昏、ヴェネチツィア≫の夕日の色使いは良いですねぇ。気持ちが入りすぎてちょっと泣きそうになりました。

この絵を見ている最中にふと、「オルセー美術館展、もう一回行きたいなー」と思いました。国立新美術館のモネ展も必ず行きますけどね。

あと、絵の世界に入り込みすぎたせいか、この辺りからどっと疲れてしまって、休み休み見る感じになりました。

(集中力は20分も持ちませんでした・・・)

いくつか、部屋を飛ばします。部屋ごとに壁の色を変えてあったり工夫してありますね。


オディロン・ルドンは最近知った作家ですが、絵によって作風が全然違いますね。一貫しているのは全部の絵が不思議な妖しさに満ちていること。妖しいけど、嫌な感じじゃないんだよね。今回の中では≪神秘の語らい≫が一番良かったかな。


パブロ・ピカソ≪腕を組んですわるサルタンバンク≫-1923-

有名な作品。ピカソは最近、かなり勉強中(魅力が中々分からないだけに)。

「サルタンバンクとは大道曲芸士のことで、ピカソはサルタンバンクを良く描いた」とのことです。

(≫一冊でわかる絵画の楽しみ方ガイド―印象派、写実主義から抽象絵画、シュルレアリスムまで より)

勉強中ではありますが、ピカソは若い頃から写実的な絵を高い完成度で描くことは(誤解を恐れずに言うならば)“簡単に”出来たわけですよね。で、≪アヴィニョンの娘たち≫に始まるキュビズムで構図とか造型とかをすべて壊すわけだ。

この≪腕を組んですわるサルタンバンク≫はキュビズムを通過した後に描いているわけですが、この顔は丹念に描いて、人体、壁はあっさり描く、というのは狙ってやってるんでしょうな。人体デッサンとしては両肩のバランスも悪いし、足の長さもおかしいよね。すごいアンバランスなんだけど、パッと見たときに存在感はあるし、気になる絵ではあるんだけど、全然納得はいかないんだよなー。


あと、気になったのはジャン・デュビュッフェかな。

国立西洋美術館で強烈な作風の牛の絵を見てから気にはなっていたのですが、

ジャン・デュビュッフェ≪暴動≫-1961-

も強烈ですね。めっちゃくちゃだけどものすごいパワー。絵の左下の男性が(むしろ絵全体が)、≫榎本俊二 っぽくもあります。


アンリ・マティスやマリー・ローランサンは最近、結構見ているのですが、今回も特に強烈な印象はないなぁ。



ブリヂストン美術館は思っていたよりはるかにしっかりした美術館で、僕が美術展めぐりを始める前に思い描いていた「美術館ってこういうところなんだろうな」というイメージに一番近い場所でした。



↓この記事の参考書籍

太田 治子
一冊でわかる絵画の楽しみ方ガイド―印象派、写実主義から抽象絵画、シュルレアリスムまで

カミーユ・コロー≪ヴィル・ダヴレー≫、パブロ・ピカソ≪腕を組んですわるサルタンバンク≫の解説あり。

モネ、ルドンの解説も面白いよ。


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3/3日に川村記念美術館に行ったという話の続き。 

川村記念美術館の敷地で撮った写真  ≫川村記念美術館の建物


さて、川村記念美術館に付いたのが14時半頃、30分ほど敷地内をうろうろして、解放的な気分になった所で、一番の目的である“全館コレクション展示 「コレクション・ハイライト」”を見るため館内に。


一つ目の展示室に入ってすぐ目に入ったのは

クロード・モネ≪睡蓮≫-1907-

モネは睡蓮の絵を随分沢山かいてますね。僕も国立西洋美術館の常設展示で数回見てますし、この数日後(3/8)にブリヂストン美術館でも見てます。モネの作品は見る距離で印象が全然違いますが、≪睡蓮≫はその典型でしょうね。


ルネ・マグリット≪冒険の衣服≫-1926-

尼さんのような格好(ほとんど裸)で目を瞑ったまま横たわる女性と宙に浮かぶ亀の絵。マグリットの得意とするデペイズマンの手法なのでしょうが、抑えた色使いも相まってなかなか面白い作品。「マグリットの作品の平坦さが嫌」という人に出会ったことがありますが、マグリットの絵に奥行きとかリアリティを求めてもしょうがない気がします。この絵で、半裸の女性がエロスを感じさせる肉感的な画風だったり、亀がヌメッとして生々しかったら、作品の主点がずれると思います。素直に組み合わせを楽しめばいいと思うんですけどね。ちなみにマグリットは僕の「好きな画家ベスト3(2007年現在)」の一人です。後の二人はデ・キリコとダリ。


マックス・エルンスト≪石化せる森≫-1927-

今回、この「コレクション・ハイライト」に来ようと決心したのは、ホームページの作品一覧にこの作品を見つけたから。エルンストは≫すぐわかる画家別幻想美術の見かた で知って以来、気になっている作家で、いろんな美術展でたびたび出会います(大抵、1作品のみ)。エルンストに関しては言いたいことがいろいろあるので、別途記事にします。


アンリ・マティス≪肘掛け椅子の裸婦≫-1912-

元々、マティスに代表されるフォーヴィスム(原色の色使いと激しいタッチが特徴。野獣派ともいう・・・はず)に興味があったのですが、最近キュビズム(極端な解体・単純化などを特徴とする造型・形態手法)の方が興味あるかな。ブログのタイトルが「玉虫色~」って言うくらいだから色彩に興味があるわけだけど、造形的な完成度の上に色彩の奇抜さがあってこそいい作品だと感じますね、僕は。

ピカソ、ブラックなどのキュビズム作品を割と沢山見ているのに対して、フォーヴィスム、というか、マティスの作品自体、数点しか見ていないので、まだなんともいえない部分はあります。今のところ、マティスの作品はピンと来ません。色使いも≫オルセー美術館展 などでみたゴッホの方がすげー、と思ってしまいます。


で、川村記念美術館の最初の展示室ですが、照明の色が悪くないですか?黄色が強い気がしました。


そうそう、彫刻作品もあった。

コンスタンティン・ブランクーシ≪眠れるミューズⅡ≫-1922-

見た瞬間、「あれ?」と思ったんですけど、数日前に≫国立新美術館で≪眠れるミューズ≫ を見ておりました。

「相変わらず、つるんとしてカワイイ!」としか思わなかったのですが、いろんな人の記事を読んでいると「川村の≪眠れるミューズⅡ≫の方が出来が良い」という記述を発見。もっとよく見ていけば良かったです。


移動して、廊下みたいな展示場にカンディンスキーを発見。

ワシリー・カンディンスキー≪無題≫-1923-

は小さい作品ですが、音楽的な意味合いの強い作品に思え、とても気に入りました。抽象画でもカンディンスキーとクレーは自分の中で恐ろしく打率が高いです。


あとはフランク・ステラの作品が多く、展示場を大胆に広く使っていましたね。≫外で見た変なオブジェ も彼の≪リュネヴィル≫という作品。館内では≪ヒラクラⅢ≫-1968-という「柑橘類の果実の断面をカラフルにして2つつなぎ合わせたような」作品が面白かったです。「何でこの色とこの色を隣同士にしようと思ったんだろう?」と思いながら時間をかけてみました。


結構じっくり見たのですが、40~50分で見終わったのでしょうか。見る前は90分弱を予想していたのですが、物足りない感じは無く、短く充実した時間を過ごせました。外も含めて、季節ごとに訪れたい、素敵な美術館ですが、もう少し立ったら改装なんですね。次はいつ来られるでしょうか。


いやー、神奈川・東京だけじゃなく、美術展目当てに遠征も楽しいね。次はもっと遠くに出掛けようかな



↓全国だと選りすぐっても100箇所!

おとなの美術館―一度は訪れたい「日本の美術館ベスト100」

↓これは持ってて役立ってます。都内だけで400箇所、選りすぐって200箇所。

吉野 昌晴
東京の美術館・博物館選りすぐり200を歩く

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~絵画編~異邦人たちのパリ展-国立新美術館- の続き


僕は元々、彫刻ってあまり興味が無かったんですよね。
国立西洋美術館の外にあるロダンとか見ても「なるほどねー」っていう感じだったんですけど、≫横浜美術館でダリの彫刻 を見てビックリしましてね。「彫刻、すげー!!」となったわけです。

で、今回の展覧会でもいい感じの彫刻に出会えましたよ。



パブロ・ガルガーリョ≪フルートを吹くアルルカン≫-1931-

これはもう、パッと見た瞬間に気に入りましたね。

“金属に空洞ができるように溶接された「開かれた彫刻」”(図録より抜粋)

空洞をうまく使っているという展では横浜美術館で見た≫ダリの≪ニュートンを讃えて≫ もそうですけど、この作品も完成度が高いですね。こういういい彫刻は横とか後ろに回ってじっくり見てしまいます。

全高15cmくらいのミニチュア、売ってないですかね。ものすごく所有欲を駆られる造形です。


パブロ・ガルガーリョ≪ピカソの肖像≫-1913-

このガルガーリョ、ピカソと同い年でお友達だったそうです。この≪ピカソの肖像≫はロダンのようなリアル路線ではなく、割とディフォルメして愛嬌のある造形です。ガルガーリョは1934年に個展を成功させたのと同じ年に急死してしまったのだとか(図録より)。1934年になくなったということは≪フルートを吹くアルルカン≫は晩年の作品ということになりますね。この展覧会で初めて知った人ですが、どういう人だったのが非常に興味が出てきました。


ジャック・シプリッツ≪ギターを持つ水夫≫-1914-1915-

キュビズムの絵画作品は結構好きな作品が多いのですが、彫刻となると難解すぎて着いて行けないものが多いです。

この≪ギターを持つ水夫≫はパッと見て水夫であることが分かる上に可愛らしい。じっくり見ても良く出来ている(粗が無い)。

可愛らしいだけではなく、完成度が高い作品に思えました。作るのにどれくらい時間がかかっているのでしょうか。感性とひらめきでひねるように作る彫刻もあるのでしょうが、こういう作品の方が計算されて時間も掛かっている気がします。

コンスタンティン・ブランクーシ≪眠れるミューズ≫-1910-

つるんとして卵みたいで可愛らしい感じです。小さくしてペーパーウェイトにしたい。

この展覧会をみた数日後、≫川村記念美術館 で同型の作品に出会ってビックリしたのですが、その話はまた今度。


アルベルト・ジャコメッティ≪テーブル≫-1933/1969-

目にした途端、「わっ」と小さく声が出た気がします(「ひゃっ」だったかも・・・)。

“人体と家具が一体となり、幻想的な気分をかもし出す”(図録より抜粋)という説明どおりの妖しい魅力のある作品です。

ジャコメッティがシュルレアリスムの影響を受けた前衛的な作品を発表したのは短い一時期(1930年代前半だけ?)ということで、シュルレアリスム好きとしてはちょっと残念。本展覧会のあと2点は1950年代の胸像作品。「ジャコメッティ」の名を知っている人ならすぐに思い浮かぶであろう、あのボコボコした質感の彫刻です。あれはあれで面白いですけど、僕はこの≪テーブル≫には衝撃を受けましたね。

先日行った、≫川村記念美術館 はジャコメッティについて調べていた時に知ったのですが、無理してでも行けばよかったなぁジャコメッティ展。行って見たら思ったほど遠くなかったし、すげえいい所だったよ・・・。

話がそれましたが、「人体」と「テーブル」の組み合わせは十分『デペイズマン※』ですね。


※シュルレアリスムの代表的手法。ルネ・マグリットが得意とした。

(この説明はテキトーなので、興味のある人は検索してね)



絵画も彫刻も良い物が多かったですし、写真と映像作品には余り時間を裂けなかったんですよ(後に予定もありましたし)。

抽象絵画なんていつまでも見てられますからね。ほぼ確実にもう一度行きます。


~絵画編~異邦人たちのパリ展-国立新美術館- で大好きなマックス・エルンストの作品に触れるのを忘れました。

川村記念美術館でもエルンストの作品を見ましたので、別途記事にすることとします。


芸術新潮 2006年 07月号 [雑誌]
矢内原 伊作, 宇佐見 英治, 武田 昭彦
ジャコメッティ



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川村記念美術館の敷地の写真 の続き


↓広場に妙なオブジェを見つけました。

妙なオブジェ1


熱心に見てる人も居ましたが、特別気になる形でもなかったのであえて近づきませんでした。

誰の作かも気にならなかったですし。


でも、だだっ広い空間にチョコンと意味の無いオブジェがあるのって面白くないですか?


↓だってこんなのですよ。


妙なオブジェ2


広場で遊ぼうにも邪魔でしょうがないです。まぁ、町の公園ではないので、人自体あんまりいないですけど。

人工の空間は違和感があって面白いです。


川村記念美術館の全館コレクション展示 「コレクション・ハイライト」 に続く



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川村記念美術館の敷地の写真 の続き


↓敷地内で変なオブジェを見つけましたよ
変なオブジェ1


↓アップ
変なオブジェ2


↓フランク・ステラさんという人の≪リュネヴィル≫という彫刻ですね。
変なオブジェ3


このオブジェを見て、「ハウルの動く城」を思い出しました。

是非動いて欲しいもんです。


川村記念美術館の全館コレクション展示 「コレクション・ハイライト」 に続く



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川村記念美術館の敷地の写真 の続き


川村記念美術館のホームページのTOPをチラッと見ただけでも印象に残った、建物のデザイン。

“古城を思わせるような”この建物は建築家、海老原一郎氏の最後の作品だそうです。


↓趣のあるデザインですね。
川村記念美術館の建物1


この写真でも目立つ「赤い彫刻」は『朱紅面』と言って、彫刻家・清水九兵衛氏の作とのこと。

ビックリしたのですが、この清水九兵衛氏、元々は清水焼の名家、清水六兵衛の七代目を襲名していたとのこと。

『清水六兵衛』といえば、日本の陶磁器に疎い僕でも聞いたことのある名です(当代はは八代目)。

名門の窯元を継いだ後、彫刻に目覚めて地位を捨てたなんて、随分攻めの人生ですね。

(ちなみに日本の窯元で名前を知っているのは「今泉今右衛門」「酒井田柿右衛門」「中里太郎衛門」「館林源右衛門」くらい)


あと、この記事はミュージアムショップで購入した「川村記念美術館ガイドブック」を全面的に参考に、出来るだけ引用のみにならないよう気をつけて書いているものです。

ガイドブックには横に長く伸びる建物全体のバッチリな写真が載っているのですが、あれ、水の上からじゃないと撮れなくないですか?立ち入り禁止の場所が結構あったので、そこからなら撮れるのかな?



↓僕にはこんなのしか撮れませんでした

川村記念美術館の建物2


まぁ、敷地が広いのが分かる写真ではありますね。

まだまだ続く!


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